「ハンドリフトの使い方を知りたい。工場の倉庫に勤めることになったんだけど、ハンドリフトが思うように使えなくて…。ミスする前に注意点とかも知りたい。」
という疑問にお答えします。当記事を見ればハンドリフトの使い方が分かります。
ブラハラ運営者のRyoです。10年間倉庫作業員で主任をやっていました。マニュアルには載っていないハンドリフトの注意点なども分かります。
当記事の内容はこちら
- ハンドリフトの基本的な使い方について
- ハンドリフトの管理方法・使用時の注意点について
- 使って分かった!ハンドリフトのこんな使い方は危険!
実際にハンドリフトを使ってきた私なのでお伝えできることがあります。倉庫作業って狭いからハンドリフトを上手に使わないと製品をぶつけちゃうんですよね。
使わないと分からない注意点までバッチリ解説します。これを見ながら自宅でハンドリフトを使うイメージを作りましょう。
1.ハンドリフトの基本的な使い方について
以下のとおりです。
- フォークをパレットにさす
- 持ち手を下に押して油圧でパレットを持ち上げる
- パレットを指定の位置まで運ぶ
- パレットを降ろす
- フォークを抜く
これに日々の管理がプラスされます。
- 汚れはないか
- フォークの根元に亀裂はないか
- 油圧は正常か
- 異音はしないか
- タイヤに破損はないか
特に難しい使用方法はありません。管理方法・使用時の注意を守っていればミスや事故も防げます。
2.ハンドリフトの管理方法・使用時の注意点について
外観だけでなく、動作確認もします。
私は使用時にフォークに亀裂が入っていた経験があります。重いものを運ぼうとしてフォークが折れ、荷物が崩れそうになりました。
荷物はもちろんあなたも危険です。こういう状況を防ぎます。
フォークリフトのミスは『正しく使わないこと』で発生します。無理な使い方をしなければミスも事故も防げます。それぞれ解説しますね。
管理方法:油圧・タイヤ・フォークを使用前にチェック
使用前に以下の内容をチェックします。
- ちゃんと上がり下がりするか
- タイヤに磨耗がないか
- フォークに亀裂が入っていないか
この3つに不備があると事故につながります。前日までは大丈夫だった…というケースが多いので、必ず使用前に確認します。(1日1回でOKです。)
パレット等に爪をさして保管する
保管時はパレットなど、固定できるものに爪をさします。そうしないと勝手に移動してしまう可能性がありますよね。
特に倉庫の2Fなど落下の危険がある場所は注意。パレットにさしていないと勝手に移動する可能性があります。
次に使用時の各注意点を解説します。
使用時の注意① 荷物を上げすぎず、下げすぎない
爪を高くし過ぎると荷物がぐらついて不安定になります。軽い荷物でも重心が取れずに落下する危険があります。
爪を低くし過ぎるとパレットが地面に近づきます。
- 床が傷つく
- 小石など、小さなものでもパレットがずれて落下の危険がある
上記の危険があります。
特に床が加工されている工場だと加工部分がはげてくるので注意。叱られますよ。
使用時の注意② 持ち上げた時の重心を確認する
持ち上げた時に少しでもぐらついたら荷物を降ろしましょう。特に背の高い荷物運搬時は重心の管理が重要です。
- 荷物が右にかたよっている → 爪を右の方にさす
- 荷物が左にかたよっている → 爪を左の方にさす
ポイントはあくまで『荷物の位置』で判断すること。パレットの中心が重心の中心とは限りません。
使用時の注意③ 基本的にパレットを引いて使う
ハンドリフトは引いて使います。
荷物を置く場所が壁側にある時だけ押します。それ以外の状況でハンドリフトを押してしまうと追突事故の恐れがあります。
- 荷物が大きいと視界がさえぎられる
- ハンドリフトは急に止まれない
- 自動ドア・自動シャッターが急に閉まることがある
上記のとおりです。
使用時の注意④ 一気にパレットを降ろさない
重量物を運搬しています。一気にパレットを落とすと床にダメージが入ります。製品が割れ物だと、製品にも悪影響ですよね。
また、振動で荷崩れもします。
使用時の注意⑤ いつでも停止できる徐行速度で使う
どういう荷物を運搬していても走ってはいけません。
- ハンドリフトを使用する場所は基本的に狭い
- 小さな障害物でハンドリフトは急に止まってしまう
- 急速度からの停止が荷崩れの原因になる
上記のとおりです。
普通に歩くスピードでもダメです。とにかく一歩ずつ慎重に移動します。
今お話してきたことを守るだけでも事故・ミスは防げます。しかし、実際は正しい使い方を守らずに使うケースがほとんどです。
実際に私が体験した危険な使い方をお話していきますね。
3.使って分かった!ハンドリフトのこんな使い方は危険!
以下の3つです。
- 片方の爪だけでパレットを運ぶ
- 爪の根元に亀裂があるのに壊れるまで使う
- シャッターに向かって荷物を『押す』
どれも『正しい使い方を守っていないケース』です。でも使わないといけない状況ってあるんですよね。当然ヒヤリハットを経験しました。
① 片方の爪だけでパレットを運ぶ
小さなパレット・小さな荷物(一斗缶1つなど)を運搬する際に使いました。パレットの幅が狭かったため、片方の爪でしかパレットを持ち上げられなかったんです。
荷物も軽かったので「大丈夫だろう…。」と思って上げました。
パレットが斜めになり、一斗缶が落ちそうになりました。一緒に運搬してくれた人がいたので良かったですが…。立派な事故でしたね。
面倒でも大きなパレットの上に荷物を運んでから運搬します。それがダメならハンドリフトではなくて『台車』を使いましょう。
② 爪の根元に亀裂があるのに壊れるまで使う
時間が無くて朝のチェックをせずにハンドリフトを使用しました。
以前からそのハンドリフトには爪の根元に小さな亀裂が入っていたんです。たまたま規定の重量ギリギリの荷物をずっと運搬することになり、ハンドリフトで運搬開始。
「バギっ!」
という音と共に荷物が斜めに荷崩れ。ラップを巻いていたので地面に落ちずに助かりました。
確認すると爪が根元から折れて破損してましたね。
③ シャッターに向かって荷物を『押す』
自動のシートシャッターに向かって荷物を押して運搬しました。
シートシャッターのセンサーが誤作動して、荷物がシートシャッターをくぐる直前でシートが閉まりました。シートと荷物が衝突。どちらも大事はありませんでしたが、扉式のシャッターなら荷物か扉のどちらかが破損していたでしょう。
実際にあったハンドリフトのミス・事故の実例
以下のようなことがありました。
- 油圧が悪くて爪が下がらなくなる
- 真冬、爪が冷たすぎて手が凍傷になる
- 爪を上げた状態だったためパレットに衝突
爪の上げ下げを忘れちゃうことって多いんですよね。壁に衝突して穴を開けることも多いです。
後はハンドリフトの旋回ですね。荷物を持ちつつの旋回って難しいんですよ。慣れるまでは面倒でも場所を広くして旋回しましょう。ぶつけたら終わりです。
まとめ:ハンドリフトはフォークリフトのように注意して使いましょう
ハンドリフトって簡単に使えそうに見えますよね。その気持ちが事故の元です。ハンドリフトもフォークリフトも『ぶつけたら終わり』。ぶつけないように慎重に作業します。
基本的な使い方・管理をしていればミスと事故の可能性って減りますよね。いつも初心を忘れずに焦らず作業しましょう。
以上、「ハンドリフトの使い方とは『注意点や管理について実体験から解説』」という記事でした。