「残業が月に80時間あるのに手取りが14万円しかない。でも、仕事を辞めようとは思わない。これを異常だって言われたけどどうなんだろう。」
それは異常なことです。
実際にブラック企業に勤めていると、仕事が辛いのに辞めようと思わないことがあります。これが「ブラック企業の洗脳状態」です。
ブラック企業研究家、Blahara運営者の『Ryo』です。
厳しい研修やセミナーにより洗脳する例もあります。しかし今回は、私の実体験を元に「知らないうちに仕事を冷静に考えられなくなる」軽い洗脳、思い込みに関する例を7つご紹介します。
当記事の内容はこちら
- ブラック企業で私が経験した7つの軽い洗脳状態
- ブラック企業から転職して洗脳が解けた結果について
- ブラック企業の洗脳を解く方法
「会社は悪くない。自分がダメなんだ!でもちょっとつらいな…。」みたいに思っているあなたは当記事をご覧下さい。ブラック企業に洗脳されている恐れがあります。
1.ブラック企業で私が経験した7つの軽い洗脳状態
- 他社と比較できなくなる
- 残業しないと悪い気になる
- 休憩時間・休日を返上しようとする
- 体調不良で自分を責める
- 異常に笑顔になり「ありがとう」を繰り返す
- 上司や役員が「神様」のようになる
- それでも頑張ろう、とポジティブになる
参考までに私が勤めていたブラック企業の勤務状態がこちらになります。
- 朝6時半出社 夜12時退社
- 昼休憩20分
- 手取り18万円(交通費1万円を含む)
- 月の残業100時間超
- 年間休日96日
では、詳しくお話します。
洗脳状態① 他社と比較できなくなる
「他の会社も一緒。まだ自分の会社は良い方だ。」と思うようになります。
例えば、
- 残業代が貰えない
- 1日に6時間以上残業がある
- 満足な休憩時間が無い
というのは異常なことです。他社と比較すれば「私の会社はおかしい。」と分かります。
しかし、過酷な仕事で拘束され続けていると他社のことを調べる時間が無くなります。友人らとの交流も減るため、他社との比較が難しくなります。結果、誰もが過酷な仕事で苦しんでいると考えるようになります。
洗脳状態② 残業しないと悪い気になる
「他の人が残っているのに自分が帰るなんてとんでもない!」と思うようになります。
自分の仕事が終わっているのなら、定時で帰宅するのは当たり前のことです。しかし、誰もが残業している職場だと残業しないことが悪いことのように感じます。
私がブラック企業に勤めていた際は、
- 19時に帰れるのはラッキー
- 「俺は今月〇〇時間も残業したよ!」という残業自慢
- 「君はまだまだだな。」と、残業時間で仕事ぶりを判断される
という状況でした。
そのうち残業でお金がもらえないのも当然と思うようになります。これは法律違反なのですが、正しい判断ができなくなります。
洗脳状態③ 休憩時間・休日を返上しようとする
自分の空いている時間は誰かの手伝いをしよう!と思うようになります。
ブラック企業では誰もが必要以上の仕事量を抱えています。皆よりも認められたい、褒められたいと思った結果、休憩時間や休日も率先して仕事をするようになりました。
先輩達が疲れきっている姿を見る時、新人でも何かできることは無いだろうかと思うようになります。雑務や掃除を任されるようになり、自分の時間が無くなっていきます。
洗脳状態④ 体調不良で自分を責める
仕事が原因で体調不良になっても『自分の管理が甘かった』と思うようになります。
1日の睡眠時間が5時間以下になると体調不良になります。
具体的には、
- フラフラする
- 風邪を引きやすい
- 頭が働かない
- 動悸がする、発疹が出る
という状況です。月の残業が80時間以上になると過労死の危険があります。体調不良もしかたのない状況です。
しかし、ブラック企業に勤めていると仕事をしないことが悪いことだと感じます。
私は
- 熱があるのに出社するのが当たり前だと思う
- 医者だけ行って出社する
- 体調不良の電話の際に涙ぐむ
という状況になりました。
洗脳状態⑤ 異常に笑顔になり「ありがとう」を繰り返す
逃げたいけど逃げられない状態が続く結果、言われたことだけを守るようになります。
当時、私は結婚式場に勤めていました。マナーに関する講習があり、笑顔や挨拶の練習を日常的に行っていました。
過酷な労働により頭が働いておりません。しかし、日常的に刷り込まれていることを身体が覚えています。仕事を頼まれると異常な笑顔で「ありがとうございます。」と言うようになりました。
洗脳状態⑥ 上司や役員が「神様」のようになる
いつか上司や役員のようになれる。素晴らしい人になれると思うようになります。
役員クラスの人たちは現場に対して優しく振舞います。高級車に乗り、定期的にお店を見回ります。現場の過酷さから、彼らの優しさに感動し「いつかはこのようになりたい。」と尊敬するようになります。
私の会社では一部の役員が来ると社員が飛び出していき握手を求めるようになりました。
洗脳状態⑦ それでも頑張ろう、とポジティブになる
そのうち、夢でも仕事をするようになります。夜は眠れなくなり、車の運転も蛇行するようになります。この状況でも「よし、今日も頑張ろう。」と考えるようになります。
私は
- 誰もが辛いんだから、自分だけ甘えてはいけない
- ポジティブにならないと倒れそう
- いつかは良くなるはず
という心境でした。
※ブラック企業は研修の時点から洗脳を開始しています。ブラック企業にありがちな研修方法についてはブラック企業の研修を4つ紹介『仕事と関係ない作業の目的とは?』という記事で解説しています。
2.ブラック企業から転職して洗脳が解けた結果について
まず最初に、
あの会社は異常だった!
と気付きました。
私が転職した理由は体中に発疹が出て倒れたためです。どうせ他社も同じくらい過酷で厳しいんだろう、と思いドクターストップがかかるまで転職を考えていませんでした。
良く考えれば、このような勤務状態の仕事を一生続けることは不可能だと分かります。当たり前のことを冷静に考えられない状況だったのです。
現在、手取りこそ少ないものの残業は月に10時間程度。
上司や役員クラスの人とも普通の会話を楽しめるような人間関係です。理不尽な命令に対しては改善提案を行うことができ、自分の意見も通りやすい環境で仕事をしています。
一生続けられるのか、を考えよう
「あー、仕事辛いなー。」
と思ったら、今の仕事を一生続けられるかどうかを考えましょう。
仕事の責任と量は年齢と共に増えていきます。20代で過酷な職場だと、30代になれば仕事以外のことができなくなります。
私のように「ドクターストップがあれば退職を考えよう」と決めるのも大事です。どこかでボーダーラインを作っておけば、ブラック企業勤めで頭が回らない状態でも退職の決断ができます。
3.ブラック企業の洗脳を解く方法
ブラック企業の洗脳を解きたければ他の会社の待遇や働き方を調べましょう。
洗脳されていた男性
月60時間残業で手取り15万が普通だと思ってたけど…。同じような仕事で月20時間残業で手取り20万があった…。
みたいなことが分かります。
ブラック企業では必ず「他の会社も一緒。」「うちの会社は良い方だ。」と言われます。転職にはリスクがありますが、情報を知るだけならリスクはありません。
ブラック企業率の低い転職サイトで仕事相談をしてみましょう。
10代・20代向け転職サイトならDYM就職がお勧めです。
全ての求人先を査察しているため、ブラック企業率が低いためです。
男女関わらず働きやすい職場が見つかります。何と履歴書もなしで面接が可能です。
参考 DYM就職
まとめ
ブラック企業に勤めている時って辞めたい気持ちがあるのに辞められないんですよね。疲れすぎて考えることも嫌になるんです。その結果、身体はボロボロなのにお金は貯まらない状態になります。
あなたも実は無理をして働いていませんか?誰かが「辞めたら良いじゃん。」と後押ししてくれるのを待っていませんか?
会社はあなたのことを守ってくれません。あなたが辛いと感じれば、自由に辞めれば良いのです。私は転職をして本当に良かったと思っています。
以上、「ブラック企業に洗脳されるってどういうこと?私が経験した7つのこと」という記事でした。
ブラック企業からの脱出方法も一覧にしてまとめています。