長時間残業が問題化する中で、週に1度のノー残業デーを取り入れる企業が増えています。
最近では求人でも
「ノー残業デー、設立しました!」
と言う広告を見かけるようになりました。
しかし、これを信じすぎるのはいけません。ノー残業デーにはデメリットもあるからです。私もノー残業デーのある大企業に勤めたことがありました。その経験を元に、ノー残業デーのウソ、ホントをご紹介します。
ノー残業デーって本当に残業無しなの?
マイナビが運営するサイト「フレッシャーズ」によると、
【あなたの会社には「ノー残業デー」の制度がありますか?】
「はい」......37.7%
「いいえ」......62.3%
【「ノー残業デー」の日は、定時に帰れますか?】
「定時で終わる」......46.9%
「少し残業がある」......34.5%
「いつもと同じく残業がある」......18.6%
となっています。私が勤務していた企業では半数が帰り、半数が残る状況でした。
ノー残業デーを取り入れることと、上手に運用できているのは違います。
逆に、ノー残業デーがあなたの首を絞める恐れもあるのです。その理由は以下の4点です。
他の曜日の労働時間が増える
ノー残業デーは定時に帰らなくてはいけません。そのため、詰めて仕事をする必要があります。しかし、1日にこなせる労働量には限度があります。
そのため、他の曜日にノー残業デー分の残業をしなければならない可能性があります。
定時までに終えなくてはいけないプレッシャー
ノー残業デーの日に残り続けると上司から叱られる可能性があります。(しっかり運用できている会社に限る。)
どれだけ仕事が多くても、定時までに終えなくてはいけません。定時間際に仕事が入ってきた場合、かなりのプレッシャーを感じることになります。
上司が帰らないと帰れない
私が働いていた大企業は古い会社です。部長が帰らないと部下は帰れませんでした。しかし、管理職には残業代が付かないためノー残業デーの適用が曖昧です。
部長に仕事が合った場合、ノー残業デーなのに帰れない状況になります。同じく先輩らに仕事がある場合も手伝うことになります。
タイムカードに要注意
タイムカードが手書きの場合は危険です。ノー残業デーの日に残業をしても、残業時間がゼロになる可能性があるからです。
定時で帰宅する社員も居ますから「ノー残業デーがある。」と他社に言えますし、残っている社員に対しては「自己判断の奉仕」となるため、残業代が支払われません。と言うよりも、残業と見なされません。
以上のことから、ノー残業デーが「残業がゼロの日」と言いづらいことが分かります。大切なのは「どの程度運用されているか」です。
ノー残業デーの運用を見破る方法
求人に書かれているだけではノー残業デーの運用・実態を見破れません。
そこで、以下の方法をお勧めします。
会社見学時にタイムカード機のチェック
ノー残業デーの日の夜に会社の前を通る
ノー残業デーの日に車の台数をチェックする
時間の管理に対する意識(具体的な残業時間など)
口コミやSNSをチェック
ノー残業デーの日の定時に社員がちゃんと退社するか判断するのが一番分かりやすいですね。特に若手の男性社員が帰宅するかどうかを見ておきましょう。
1週間のおおよその残業時間を確認するのも大切です。週に8時間残業がある場合、それを4日で行わないといけません。ノー残業デーのために他の曜日の仕事量が増えるのは危険です。
社員のフェイスブック、ツイッターを確認するのも良いです。ノー残業デーの日に予定が入っているのなら、本当に帰宅できている証拠になります。
また、ノー残業デーを取り入れている企業は規模の大きい所が多いため転職サイト「キャリコネ」の口コミサービスで実態を確認できることがあります。
ノー残業デーがあるから良い!無いからダメ!とは判断できないことがお分かりになったと思います。それよりも、残業時間が少ない会社を選んだ方が負担は少なくなります。