給料が安い、重労働、休みが少ないの3拍子が揃った仕事があります。それが「介護」。
インターネットやテレビの情報でも「介護の業界は人手不足。それは仕事内容に対して余りに給料が安いから。」とこぞって取り上げられています。
私が知り合った介護職の女性たちも「早く結婚して家庭に入りたい。」と言っていました。
果たしてそんなに過酷な仕事なのでしょうか。実際の話、雑誌やテレビからの情報を元に分析してみましたので、これから介護職を希望する人たちは是非ともご覧下さい。
また、現在介護の仕事に就いており転職すべきか悩んでいる方もご覧下さい。驚くべき実態が分かりました。
介護業界の給料事情
どの仕事でもその仕事のブラック・ホワイトに関わる絶対に考えなくてはならない3つのポイントがあります。
- 給料
- 休日、労働時間
- 人間関係
です。
まずは介護職の給料から考えていきましょう。
基本給はかなり低いです。12~14万円ほどです。介護の仕事の需要は増えています。需要があれば、利益になり、基本給も増えそうなものですよね。人を募集するには高い給料で集めるのが一番ですし。
しかし、利益につながりにくい分野の仕事なんです。施設なら入居できる人の数に限りがあるため、利益に限りがあります。そのため基本給が低い傾向にあります。
手当ては豊富
介護職はケアマネージャー等の資格の有無で手当てが変わります。深夜残業や休日出勤によりプラスアルファがあります。基本給が12万でも、充実した手当てにより手取り16万円前後になるのが一般的です。
上場企業でも年収400万円未満?!
さて、肝心の年収ですが、、、。
上場している介護サービス提供企業でも40代で年収400万円に届きません。
厚生労働省の平成25年度介護従事者の平均所得によると、
平均年齢40.8歳 実労働時間162.8時間 月収276,940円 (各種手当て+一時金を含んだ平均)
基本給の平均額 177,090円
40歳で基本給およそ18万円。手当てが無ければ手取り14万円ほどです。
介護の一流企業でも年収380万円。ボーナスを抜けば、月収26万円ほどです。手取りなら21万円前後になります。
手取り12万以下のワーキングプア層
先ほど、手当てにより手取りが16万円前後になるとお伝えしました。もし、基本給に各種手当が含まれていたらどうなるでしょう。手取りは12万円以下。下手をすれば10万円を切ってしまいます。
アルバイトより低賃金です。それなのに仕事は大変で長時間拘束されます。
そのため、介護業界には働けば働くほど生活が辛くなるワーキングプア層が大勢居ます。
特にワーキングプアになりやすいのは未経験で介護職に転職した人です。介護業界は常に需要があるため、採用率が高めです。40代でリストラされた人、会社が倒産した人でも採用されます。しかし、彼らは未経験からなので高卒の初任給レベルの賃金となりワーキングプアになります。
介護業界の休日・労働時間事情
「介護=忙しいそう」と思いませんか?
まさにその通りで、看護師のように夜勤もあれば、休日出勤もあります。施設で人を預かることになれば、24時間体制でスタッフが必要になるためです。
訪問介護なら時間通りの仕事が可能ですが、それでも残業になるケースがあります。入浴で思わぬ時間がかかったり、移動時の渋滞に巻き込まれるなどの可能性があるためです。水仕事が多いため、手荒れや湿疹にもなる可能性があります。
施設では変則勤務
先ほどお話したように、施設は24時間体制でスタッフが必要です。そのため、交代制・変則勤務になります。
早番 07:30~16:30
日勤 08:30~17:30
遅番 11:00~20:00
夜勤 16:00~翌10:00
のような感じですね。
交代制に関して細かな注意を知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
休日出勤に夜勤
「人が居なくても大丈夫!」と言う日がありません。人が足りない場合、誰かが出勤しないといけません。そのため、休日出勤の率が高いと言えます。
変則勤務なので夜勤もあります。かなり過酷な現場と言えるでしょう。
夜勤明けの休み次第で休日数が変わる
年間休日数は施設・介護内容によりバラバラです。
123日もあれば、105日しかない施設もあります。しかし、休日出勤が多いため年間休日80日前後になるケースも多いようです。
また、夜勤明けの日が「出勤扱い」「休日扱い」のどちらになるかで休日数が変わります。夜勤明けの日が休日扱いになる場合、月の休みが減ってしまうようなものです。
介護業界の人間関係
良し悪しがハッキリしており、全体的には悪い傾向にあります。その理由は以下の通りです。
女性が多い
女性が多い職場は人間関係が悪化しやすいと言われています。
- 仕事を感情で判断してしまう
- いらない気遣いが必要
- プライベートを仕事に持ち込む
からです。介護は男性より女性が活躍しています。介護には女性の気遣い・優しさが発揮されるためです。介護サービスで気遣いが求められる分、人間関係のストレスが溜まりやすく、ギスギスした関係になりやすいと言えます。
意識の派閥ができやすい
介護は「仕事に情熱を持っている人」「お金稼ぎとしてする人」の派閥ができやすい仕事です。看護師やウェディングプランナーも同じです。
介護と言っても様々な仕事・分野があります。共通していることは「人助け」ですよね。学生時代から人の役に立ちたいと考え、介護関連の勉強をしてきた人が大勢居ます。一方で「仕事は労働力の提供してお金を貰うためのもの。」と、考える人も居ます。これはこれで正しい考え方です。
しかし、仕事に情熱を持った人とドライな考えの人は衝突します。介護職は特にその傾向が高いため、施設によっては派閥同士の言い争いになり肝心のサービスが疎かになっています。
労働環境が人間関係に影響しやすい
介護で良い人間関係が築けている職場は、
- 施設がキレイ
- 人並みの給料が貰える
- 従業員の数が揃っており、労働量が均等
のように、良い労働環境・労働条件が整っています。
逆に労働環境・労働条件が悪いとストレスと疲れが溜まり、人間関係が悪化します。これはどの職場も同じことですが、介護は薄給で夜勤があります。ブラックな環境が多い業界としても知られています。
まとめ
「俺、年収500万円台なんだ!えっ?どんな仕事してるのかって?介護だよ。」と耳にしたことがありますか?
それよりも、
「私、本当にお金が無いんだ。月々の支払いもギリギリで・・・。仕事?介護だよ。」の方が聞きますよね。私も実際に介護で働いている人からも言われました。
需要はあるのに、そのくらい厳しい業界です。
一方、人から「ありがとう」と感謝され、自分が必要とされている実感を得られます。
私は今回の調べにより介護業界はブラック業界だと感じました。あなたがお金目当てで介護業界に入るのは止めた方が良いと思います。人助けに情熱を持った人ならお金以上のやりがいを得られるでしょう。