「医薬品製造の仕事内容について知りたい。製薬工場はどういう環境なのか。仕事内容はどうなのか。他の工場との違いはあるのかな?」
という疑問にお答えします。
当記事を読めば医薬品製造の仕事内容がわかります。
ブラック企業研究家、Blahara運営者の『Ryo』です。製薬工場に10年ほど勤めており、主任に出世しました。
当記事の内容はこちら
- 医薬品製造の仕事内容について
- 製薬会社は優良企業?給与や待遇について
- 製薬工場の繁忙期について
実際に製薬工場で勤めていた私なのでお伝えできることがあります。比較的クリーンな環境なのですが、薬品を扱う注意点もあります。
製薬工場・製薬メーカーに勤めようと考えているあなたはどうぞご覧ください。
1.医薬品製造の仕事内容について
製薬会社の製造では様々な医薬品を作ります。
医薬品と言っても、内容物で形が全く違います。
- ドリンク剤
- 風邪薬の包装
- 錠剤
- チューブタイプの薬
作る物が大きければ大きいほど機械も大きくなります。逆に錠剤のような小さなものは小さな工場でも製造可能です。
医薬品製造は「クリーンな現場」が求められますが、決して他の製造業に比べて『ラク』ではありません。
① 医薬品製造現場はルールが厳しい
製薬会社は他の工場と比べてとにかくキレイです。
老舗企業は建物の老朽化はありますが、防虫対策・厳重な二次更衣など衛生管理の意識が整っています。
定期的に薬務課がやってきます。社内に落ち度が無いか厳重にチェックし、指摘をするためです。重度の指摘が直されていない場合は製造禁止となります。
そのため製薬会社は衛生的かつ原料に間違えが起こらないよう子供でも分かるような表示物を欠かせません。
細かなルール決めがある一方で、クリーンな現場です。空調管理もしっかりしているので、力の無い人でも働けます。
② 薬品やビタミンを扱う際に注意が必要
粉塵で鼻や喉、目がやられます。
カフェインやビタミンB2は細かな粉末です。部屋が密封されていると目が痛みだし涙が止まらなくなります。医薬品の中身を作る現場では注意が必要ですね。
防護服を身につけると暑くなります。空調がしっかり整えられていないと暑さで倒れます。クリーンな現場ですが、作業員の安全が確保されていないと危険です。
2.製薬会社は優良企業?給与や待遇について
製薬会社は決して給与の良い仕事ではありません。
どちらかと言えば、製薬会社の中でどの職種に就くかが重要です。製薬会社自体は上向きの業界です。大手のドラッグストアと提携できれば利益がドンドン上がっていきます。
しかし、その利益が人件費に還元されるわけでもありません。クリーンな職場を維持するための設備投資・電気代が高額なためです。
製薬会社の中でも製造部門は低収入です。高卒手取り15万円以下も珍しくありません。
もっとも待遇が良いのが『品質管理部門』。
医薬品は品質が命。品質管理部門は高学歴のエリートを募集します。薬剤師も有利です。
① 製薬会社でも長時間残業はあり得る
ドラッグストアは数を増やし続けています。
全国規模のマーケットに商品を出し続けるためには、かなりの量を作らなくてはいけません。
工場の規模が小さい場合、長時間の残業がありえます。
製薬会社の中でも交代制勤務があります。
繁忙期で人手不足の場合、朝8時~夜22時までの勤務もあります。
「製薬会社だから凄くラクで給与も良いはず!」と思うのは止めましょう。
企業の本当の残業時間を見抜く方法をご紹介しています。
この方法で残業時間をご確認下さい。
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② 私が勤めていた製薬会社の製造部の待遇について
- 基本給 175,000円 昇給4,000~5,000円
- 残業 月20~80時間 シフト制勤務導入により月20時間にダウン
- ボーナス3.0ヶ月
- 勤務時間 7:30~16:30 or 11:00~20:00
シフト制勤務だったため、早番から残業で製造が終わるまで残る日がありました。翌日も早番です。
基本給は少なく昇給もワーキングプアになるような金額。33歳で年収370万円。45歳の先輩も年収は440万円でした。(主任の時点で。)
この待遇については以下の記事も参考になります。
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3.製薬工場の繁忙期について
医薬品製造の繁忙期は作っている医薬品で変わります。例えば健康ドリンクなら夏場に売れます。6~8月が繁忙期。月数十時間の残業も覚悟しましょう。
風邪薬なら冬の前。10月~12月に大量製造することになります。鼻炎薬なら2~3月。4月で花粉シーズン到来ですからね。花粉の量に応じて仕事量も違います。
『今年の花粉は去年の4倍。』
みたいなニュースが流れると土日出勤も覚悟しましょう。
① 製薬工場繁忙期の勤務時間について
製造ロット数に応じて変化します。
私の工場の場合以下のようになりました。
7:00~21:00まで工場が稼動。早番・遅番者がそれぞれ休憩しないといけないため、一部残業で休憩時間をまかなう形に。
月40~80時間の残業が当たり前でした。
医薬品は管理が大変です。大きな倉庫を持っていると空調だけで維持費がかかるんですよね…。だから倉庫の小さな工場だと製造数量を上げるしかありません。
4.製薬会社はこんな人にお勧めの業界
製薬会社は『安定している業界』です。
現在も伸び続けているため、しっかり働いて稼ぎたいあなたにはピッタリです。
オイルまみれで汚い現場が苦手な方にもお勧めです。医薬品を作っているため、現場は間違いなくクリーンです。
製造業なので繁忙期以外は時間もしっかり決まっています。土日も休みです。(会社により違うこともありますので、必ず求人をご確認下さい。)
製薬会社も『工場』なので、働きやすい工場を見つける方法が使えます。
働きやすい工場を見つけるにはこちらの記事をご覧下さい。
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まとめ:製薬会社の製造は工場次第です。
製薬会社は長く勤めるには便利です。
ただし、工場が閉鎖された空間なので人間関係には注意しましょう。
製薬会社の営業部門など、動きやすい職種に就くのもお勧めです。医薬品製造の安定性が強みですからね。
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